朝起きたら腰が痛い…その原因は寝方だけ?起床時の動き方とセルフケアを紹介
朝、目が覚めて身体を起こそうとした瞬間。
「あれ、腰が痛い……」
寝る前まではそれほど気にならなかったのに、起きたときだけ腰が重い。
布団から立ち上がってしばらく動いていると気にならなくなるけれど、翌朝になるとまた同じように腰が痛む。
そんな日が続くと、
「寝方が悪いのかな?」
「マットレスが合っていない?」
「昨日、何か腰に負担をかけたかな?」
と気になりますよね。
朝起きたときに感じる腰の痛みは、寝ている姿勢だけが関係しているとは限りません。
睡眠中は長い時間身体を大きく動かさないことに加えて、前日の身体の使い方や日中の姿勢、起床するときの動き方など、さまざまな要素が関係していることがあります。
そのため、「寝具を変えればいい」とすぐに考えるのではなく、まずは自分の一日を振り返ってみることが大切です。
そしてもう一つ注目したいのが、目が覚めた“そのあと”。
腰が気になる状態で勢いよく起き上がったり、すぐに前かがみになって顔を洗ったりと、起床直後の何気ない動作が腰への負担につながることもあります。
この記事では、朝起きたときに腰が痛くなる背景を「寝ている間」だけで考えず、前日の過ごし方から起床後の動きまで順番に見ていきます。
朝の身体に合わせた起き上がり方や自宅でできるセルフケア、寝具について考えるときのポイントもご紹介しますので、
「どうして朝だけ腰が痛いんだろう?」
と感じている方は、ご自身の朝と一日の過ごし方を思い浮かべながら読み進めてみてください。
朝の腰が痛い…寝ている間、身体はどうなっている?
「寝ている間は身体を休めているのに、どうして朝の方が腰が痛いんだろう?」
不思議に感じるかもしれません。
確かに睡眠は身体を休める大切な時間です。
しかし、眠っている数時間のあいだ、身体は日中のように立ったり歩いたりしているわけではありません。
朝の腰について考えるときは、寝ている姿勢・起きた直後の身体・前日の過ごし方の3つに分けて見てみると分かりやすくなります。
睡眠中は長時間同じ姿勢になりやすい
私たちは寝ている間にも寝返りをしますが、起きている時間に比べると身体を大きく動かす機会は少なくなります。
同じような姿勢が長く続いたあとに目を覚ますと、腰まわりにこわばりや動かしにくさを感じることがあります。
例えば、横向きで身体を丸めるように寝ていたり、同じ方向を向いている時間が長かったりすると、起きたときに「腰が固まっているような感じがする」と感じることもあるでしょう。
ただし、ここで注意したいのが、「この寝方だから腰が痛くなる」と単純に決めつけないことです。
寝返りの回数や眠っている姿勢は人によって異なりますし、寝具やその日の身体の状態なども関係します。
「仰向けはダメ」「横向きなら大丈夫」と考えるのではなく、朝起きたときにどのような状態になっているかを確認してみましょう。
起きた直後は身体を動かしにくく感じることがある
朝、目が覚めた瞬間から日中と同じように身体が動くとは限りません。
長時間横になった状態から身体を起こすときには、寝返りをする、横向きになる、上半身を起こす、立ち上がるなど、短い時間の中で姿勢が大きく変わります。
そのため、朝は「腰が痛い」というだけでなく、
「身体を伸ばしにくい」
「前にかがみにくい」
「立ち上がって最初の数歩が動きにくい」
と感じる方もいます。
そんなときに、勢いをつけてガバッと起き上がる必要はありません。
目が覚めたらまず身体の状態を確認し、ゆっくり姿勢を変えていくことを意識してみましょう。
起床して少し動いたあとにどう変化するのかも、身体の状態を知るヒントになります。
前日の疲れや身体の使い方が朝に影響することも
朝の腰が痛いと、つい前日の「寝方」ばかり振り返ってしまいませんか?
ところが、確認してほしいのは夜だけではありません。
例えば前日に、
- 長時間デスクワークをしていた
- 車を長時間運転した
- 重い荷物を運んだ
- 中腰で家事や作業をする時間が長かった
- 久しぶりにスポーツをした
- いつもより長い距離を歩いた
といったことはなかったでしょうか。
日中にいつもと違う身体の使い方をしたあと、翌朝になって腰の張りや痛みを感じることもあります。
だからこそ、朝起きて腰が気になった日は、「昨日はどんな一日だったかな?」と振り返ってみることも大切です。
朝の腰の痛みを「寝相が悪かったから」と寝ている時間だけの問題にせず、前日の活動から起床後までをつなげて考えてみましょう。
次は、寝方や寝具も含めて、腰が気になる朝に振り返ってほしいポイントをもう少し具体的に見ていきます。
「寝方が悪かった?」腰が気になる朝に振り返りたいこと
朝起きて腰が痛いと、「変な寝方をしていたのかな?」と思う方は多いのではないでしょうか。
もちろん、睡眠中の姿勢も確認しておきたいポイントの一つです。
ただ、朝の腰の状態を考える材料はそれだけではありません。
寝る前に何をしていたか、さらに前日をどう過ごしていたかまで少し時間をさかのぼってみましょう。
毎朝なんとなく「寝方のせいかな」で終わらせていた方も、思い当たることがないかチェックしてみてください。
いつも同じ向きで寝ていないか
「右向きでないと眠れない」「気づくといつも同じ姿勢になっている」など、寝やすい姿勢には人それぞれクセがあります。
同じような姿勢が長く続けば、身体の一部分に負担を感じることもあります。
だからといって、「仰向けで寝なければいけない」「横向きは良くない」と無理に寝方を変える必要はありません。
むしろ確認したいのは、自分が楽に眠れる姿勢と、翌朝の腰の状態に何か傾向がないかということです。
「右向きで寝た朝は腰の左側が気になる」「寝返りが少なかったように感じる日は動きにくい」など、気づいたことがあれば覚えておくとよいでしょう。
一晩だけで判断せず、数日間の傾向を見てみることもポイントです。
マットレスや敷布団は身体に合っているか
「朝の腰が痛い=マットレスが悪い」と考えて、すぐに寝具を買い替えようとする方もいるかもしれません。
しかし、マットレスや敷布団には硬さや素材、厚みなどさまざまな違いがあり、すべての人に共通する“腰に良い寝具”があるわけではありません。
まずは、
- 寝ていると身体が大きく沈み込む
- 腰まわりに圧迫感がある
- 寝返りをしにくく感じる
- 寝具が長期間の使用でへたっている
など、現在使っている寝具で気になることがないか確認してみましょう。
また、旅行先や別の布団で寝たときに朝の腰の状態が違うかどうかも、一つの参考になります。
寝具については、このあと改めて詳しくお伝えします。
寝る前まで長時間座りっぱなしになっていないか
意外と見落としやすいのが、布団に入る直前までの過ごし方です。
夕食後にソファで何時間もテレビを見ていたり、パソコン作業を続けていたり、スマートフォンを見ながら同じ姿勢で過ごしたりしていませんか?
仕事で一日中座っていたうえに、帰宅後もほとんど身体を動かさず、そのまま眠るという日もあるでしょう。
そんな方は、寝る前に軽く歩く、立ち上がって姿勢を変えるなど、無理のない範囲で身体を動かす時間をつくってみるのも一つです。
「寝ている8時間」だけでなく、「眠るまでの数時間をどう過ごしたか」も振り返ってみる。
これが、朝の腰を考えるときの大切な視点です。
前日にいつもと違う運動や作業をしていなかったか
「昨日は何ともなかったのに、朝になったら腰が痛い」という場合は、前日の行動も思い出してみましょう。
例えば、普段あまり運動しない方が長時間歩いたり、久しぶりにスポーツをしたりした翌朝は、腰まわりに張りや動かしにくさを感じることがあります。
運動だけではありません。
大掃除で中腰の姿勢が続いた、庭仕事をした、子どもを長時間抱っこした、重い荷物を何度も運んだなど、いつもとは違う身体の使い方も振り返るポイントです。
反対に、長距離移動などでほとんど座ったままだった日も含めて考えてみましょう。
朝の腰が気になったら、
「昨日は何をした?」
「寝る前はどう過ごした?」
「どんな姿勢で寝ていた?」
と、順番にたどってみてください。
原因を一つに決めるためではなく、自分の腰がどんな日の翌朝に気になりやすいのかを知ることが、生活を見直す第一歩になります。
目が覚めて腰が痛いとき、いきなり起き上がらないで
目覚まし時計が鳴って、「起きなきゃ!」と勢いよく身体を起こす。
忙しい朝なら、いつものことかもしれません。
でも、目が覚めた時点ですでに腰が気になっている日は、少しだけ動き方を変えてみましょう。
長時間横になっていた状態から、いきなり上半身を起こして立ち上がると、短い時間で身体の姿勢が大きく変わります。
朝から腰が気になる日は、「すぐに起きる」よりも「身体を少しずつ起こしていく」ことを意識してみてください。
まずは布団の中で身体の状態を確認する
目が覚めたら、まずはそのままの状態で身体の様子を確認してみましょう。
「昨日より痛いかな?」
「じっとしていても痛い?」
「身体を少し動かすとどうだろう?」
毎朝細かくチェックする必要はありません。
いつもの朝と比べてどうなのか、簡単に確認するだけでも十分です。
余裕があれば、布団の中で膝を軽く曲げたり、足首をゆっくり動かしたりしてみましょう。
このときも、腰を強くひねったり、痛みを我慢して伸ばしたりする必要はありません。
「朝だからストレッチしなければ」と頑張るのではなく、まずは今日の身体がどのくらい動かせそうなのかを知る時間にしてみてください。
横向きになってからゆっくり起き上がる
仰向けの状態から、そのまま腹筋をするように上半身を起こしていませんか?
腰が気になる朝は、一度横向きになってから起き上がる方法を試してみましょう。
- 仰向けから膝を軽く曲げる
- 身体ごとゆっくり横向きになる
- 脚をベッドや布団の外へ下ろす
- 手や腕で身体を支えながら上半身を起こす
- 座った状態で一度落ち着いてから立ち上がる
ポイントは、腰だけを使って一気に身体を起こそうとしないことです。
横向きになり、腕も使いながら身体全体で姿勢を変えていきます。
起き上がった直後に腰が気になる場合は、すぐに歩き出さず、座った状態で身体の様子を確認してから立ち上がりましょう。
ただし、この方法でかえって痛みが強くなる場合には無理に続けないでください。
洗顔や着替えなど朝の前かがみにも注意する
無事に布団から起き上がったら、それで終わりではありません。
実は朝の支度には、
- 洗面台で顔を洗う
- 靴下を履く
- ズボンを履く
- 床にある物を取る
- カバンに荷物を入れる
など、前かがみになる動作がたくさんあります。
特に朝は時間がなく、腰を曲げたまま急いで動いてしまいがちです。
例えば顔を洗うときは、腰だけを大きく曲げるのではなく、膝や股関節も軽く曲げて身体を支えてみましょう。
靴下やズボンも、立ったまま片脚で無理に履こうとせず、腰が気になる日は椅子に座って行うと身体を安定させやすくなります。
床の物を取るときも同様です。腰だけを折り曲げるのではなく、膝や股関節を使いながら身体を近づけます。
「朝起きたときの腰が痛い」という方は、布団からの起き上がり方だけでなく、その後30分ほどの動きにも目を向けてみてください。
いつもの朝に少しだけ余裕をつくり、身体を急に動かさない。
そんな小さな工夫から始めてみましょう。
朝の5分でできる「腰を動かす準備」
朝起きて腰が気になると、「しっかり伸ばした方がいいのかな?」と思うかもしれません。
でも、起きたばかりの身体に、いきなり大きな動きや強いストレッチを加える必要はありません。
ここで意識したいのは、身体を鍛えることではなく、これから一日を始めるために少しずつ身体を動かしていくことです。
忙しい朝でも取り入れやすい、簡単な動きから始めてみましょう。
仰向けのまま膝を立てて左右へ小さく動かす
まずは、布団やベッドから起き上がる前にできる動きです。
- 仰向けになり、両膝を立てる
- 両膝をそろえたまま、左右へゆっくり傾ける
- 腰に痛みが出ない範囲で5〜10回程度繰り返す
ポイントは、膝を床につけようと頑張らないことです。
最初はほんの少し左右へ動かすだけでも構いません。
反動をつけず、自分が心地よく動かせる範囲で行いましょう。
「右には動かしやすいけれど、左は少し動かしにくい」など、左右の違いを感じることもあります。
無理に左右を同じ範囲まで動かそうとせず、その日の身体の状態を確認するような気持ちで行ってみてください。
椅子に座って骨盤をゆっくり前後に動かす
布団から起き上がったら、次は椅子に座った状態でも身体を動かしてみましょう。
- 椅子に浅めに腰かけ、両足を床につける
- 背中を無理に伸ばさず、楽な姿勢をとる
- 骨盤を前へ傾けるようにして、腰を軽く伸ばす
- 次に骨盤を後ろへ傾けるようにして、背中を軽く丸める
- ゆっくり5〜10回程度繰り返す
大きく動かす必要はありません。
「骨盤を動かすって難しい」と感じる場合は、腰を軽く反らす・軽く丸める動きを交互に行うイメージでも大丈夫です。
朝から腰が痛い日は、動かせる範囲も普段とは違うことがあります。
違和感や痛みが強くなる場合は中止しましょう。
少し歩いてから一日の動きを始める
起きてすぐに、洗濯物を持ち上げる、掃除機をかける、重い荷物を運ぶ……。
忙しい朝ほど、起床直後から身体を大きく使ってしまいがちです。
腰が気になる日は、可能であれば先に家の中を少し歩いてみましょう。
トイレへ行く、カーテンを開ける、キッチンまで歩くといった普段の動きで十分です。
特別な運動をしなくても、日常の動作を使って少しずつ身体を動かし始めることができます。
数分歩いてみて、「最初より動きやすくなった」「まだ腰が気になる」など、身体がどう変化するかも確認してみてください。
痛いところまで伸ばす必要はありません
セルフケアというと、「しっかり伸ばさないと意味がない」と思ってしまう方もいます。
しかし、朝の目的は限界まで身体を伸ばすことではありません。
「少し動かしてみる→身体の反応を確認する」くらいから始めて大丈夫です。
特に、
- 痛みを我慢しないと動かせない
- 動かすほど痛みが強くなる
- 脚にしびれが出る
- 腰だけでなく脚に力が入りにくい
といった場合には、セルフケアを無理に続けないようにしましょう。
「毎朝5分やらなければ」と義務にする必要もありません。
その日の腰の状態に合わせて、できる動きを選んでください。
朝のセルフケアは、頑張って身体を変えるための時間ではなく、今日の身体の調子を確かめながら、一日を始める準備時間と考えてみましょう。
朝だけ腰が痛いなら、昼と夜も観察してみよう
朝起きたときに腰が痛いと、「寝ている間に何かあったのかな?」と考えますよね。
でも、一度そのまま一日を過ごしてみて、腰の感じ方が時間とともにどう変わるのかにも注目してみてください。
朝が一番気になるのか。動いているうちに気にならなくなるのか。それとも夕方になると、また腰が重く感じるのか。
こうした変化を知ることで、寝ている時間だけでは見えなかった生活習慣に気づけることがあります。
動き始めると気にならなくなる?
起きた直後は腰が気になるのに、着替えや朝食の準備をしているうちに、いつの間にか気にならなくなっている。
そんな方もいるのではないでしょうか。
この場合、「何分動いたら大丈夫になる」と時間だけで判断する必要はありません。
それよりも、
起床直後 → 身支度のあと → 外出後
と、身体を動かすにつれて腰の感じ方がどう変わっているのかを確認してみましょう。
反対に、動き始めても痛みが変わらない、歩くほど強くなるという場合もあります。
「朝は痛い」という情報だけで終わらせず、その後どう変化したかまでセットで覚えておくことがポイントです。
夕方になると再び腰が気になる?
朝の痛みはいったん気にならなくなったものの、仕事が終わる頃になると再び腰が重い。
そんな場合は、その日の過ごし方を振り返ってみましょう。
例えば、
- デスクワークで座っている時間が長かった
- 車の運転が続いた
- 立ち仕事で同じ姿勢が多かった
- 中腰になる作業を繰り返した
- 重い荷物を持つ機会が多かった
など、日中の身体の使い方も確認したいポイントです。
夕方の腰の状態まで見ることで、朝だけではなく、一日を通して腰にどのような負担がかかっているのかを考えやすくなります。
休日と仕事の日で違いはある?
毎朝腰が痛いと思っていたけれど、「そういえば休日はそれほど気にならない」ということはありませんか?
反対に、平日は大丈夫なのに、休日に長く寝た朝の方が腰が気になる方もいるでしょう。
仕事の日と休日では、
起きる時間、睡眠時間、座っている時間、身体を動かす量など、生活のリズムが変わります。
そのため、曜日によって腰の状態に違いがないかを見てみるのも一つの方法です。
「仕事の日の翌朝に多い」「たくさん歩いた翌日は違う」など、自分なりの傾向が見つかるかもしれません。
「いつ痛むか」を知ると生活を振り返りやすい
腰の状態を知るために、難しい記録をつける必要はありません。
例えば数日間だけ、
朝:起きた直後はどうだった?昼:動いているときはどうだった?夜:一日の終わりはどうだった?
と振り返るだけでも十分です。
さらに、「長時間座った」「いつもより歩いた」など、その日に特徴的な出来事があれば一緒に覚えておきましょう。
こうした記録は、自分で原因を特定するためのものではありません。
どんなときに腰が気になりやすいのかを知り、身体の状態を誰かに相談するときにも伝えやすくするための材料です。
「朝起きたら腰が痛い」という一場面だけを見るのではなく、一日を通して身体を観察してみる。
いつもの生活を少し違う角度から眺めることで、これまで気づかなかった身体の使い方が見えてくるかもしれません。
寝具を買い替える前に知っておきたいこと
朝起きるたびに腰が痛いと、
「マットレスが合っていないのかな?」
「もっと硬い布団にした方がいい?」
「枕を変えたら違うかも」
と、寝具が気になり始める方も多いと思います。
毎日長い時間使うものですから、寝具を見直すこと自体は一つの選択肢です。
ただし、朝の腰の痛みをすべて寝具のせいにしてしまうのはおすすめできません。
高価なマットレスへ買い替える前に、知っておいてほしいことがあります。
「硬い・柔らかい」だけで良し悪しは決められない
腰が気になる方の寝具については、
「硬いマットレスの方がいい」
「いや、身体に沿う柔らかいものがいい」
と、さまざまな情報を目にしますよね。
しかし、身体の大きさや寝る姿勢、寝心地の好みなどは一人ひとり違います。
そのため、「硬ければ硬いほど腰に良い」「柔らかい寝具は腰に悪い」と単純に考えることはできません。
大切なのは、実際に寝たときに身体の一部分だけが極端に沈み込んでいないか、寝返りをしにくくないか、腰や背中に圧迫感がないかなどを確認することです。
また、購入した当初は気にならなかったものの、長期間使用して中央部分がへたっていることもあります。
まずは今使っている寝具の状態を確認してみましょう。
買い替える場合も、「腰が痛い人向け」といった言葉だけで決めず、可能であれば実際に横になり、自分が無理なく寝返りをできるか、自然な姿勢を取りやすいかを確認して選ぶことが大切です。
枕だけで腰の状態が決まるわけではない
腰が痛いのに、「枕も関係するの?」と思うかもしれません。
寝ている姿勢は、頭・首・背中・腰までつながった身体全体でつくられています。
そのため、枕も寝姿勢を考えるうえで確認したい寝具の一つです。
ただし、枕を変えれば朝の腰の痛みがなくなる、と考えるのは避けましょう。
枕の高さや形だけでなく、マットレスとの組み合わせや普段どの姿勢で寝ることが多いかによっても感じ方は変わります。
「腰が痛い人にはこの高さ」といった情報だけを頼りにするのではなく、
「首が不自然に曲がっていないか」
「楽に寝返りできるか」
「朝起きたときに首や肩まで気になっていないか」
など、身体全体の寝心地を確認してみてください。
寝具は一つひとつを別々に考えるのではなく、実際に横になったときに身体全体がどう感じるかを見ることがポイントです。
寝具だけを変えて様子を見続けない
マットレスを変えた。枕も変えた。それでも毎朝腰が痛い。
そんな状態でも、「もっと自分に合う寝具を探さないと」と、次々と買い替えてしまうことがあります。
しかし、この記事で見てきたように、朝の腰の状態には寝具以外にも、
- 前日の身体の使い方
- 長時間続いている姿勢
- 睡眠中の姿勢
- 起床するときの動き
- 日中の活動量
など、さまざまなことが関係する場合があります。
そのため、寝具を見直しても気になる状態が続くのであれば、「まだ寝具が合っていない」と考え続けるのではなく、一度ほかの可能性にも目を向けてみましょう。
特に、朝の腰の痛みが以前より強くなっている、日中にも痛むようになった、脚のしびれなど別の症状も出てきたという場合は、寝具選びだけで様子を見続けないことが大切です。
寝具は毎日の睡眠を支える大切なものです。
だからこそ、「腰が痛いから、とりあえず買い替える」のではなく、寝具と身体の状態、そして一日の過ごし方をセットで考えるようにしてみましょう。
こんな腰の痛みはセルフケアだけで様子を見ないで
朝起きたときの腰の痛みには、身体の使い方や前日の活動、睡眠中の姿勢などが関係していることがあります。
その一方で、「朝だから身体が固まっているだけだろう」と、すべてを同じように考えるのも避けたいところです。
いつもの朝とは明らかに違う痛みや、腰以外の症状がある場合には、セルフケアだけで様子を見続けないことも大切です。
ここでは、医療機関への相談を考えてほしいサインを確認しておきましょう。
転倒やケガのあとから強く痛む
「昨日転んで腰をぶつけた」
「重い物を持った瞬間に強い痛みが出た」
「スポーツ中に腰をひねった」
など、痛みが出る前に明確なきっかけがある場合は注意しましょう。
その場ではそれほど気にならなくても、時間が経ってから痛みを強く感じることもあります。
特に、転倒や衝突などのあとから強い痛みが続いている場合は、無理に腰を伸ばしたり、揉んだりして様子を見続けず、医療機関で状態を確認してもらうことを検討してください。
「一晩寝たら大丈夫だろう」と決めつけないことが大切です。
脚のしびれや力の入りにくさを伴う
腰の痛みだけではなく、脚にも変化が出ていないか確認してみましょう。
例えば、
- お尻から脚にかけてしびれがある
- 脚に力が入りにくい
- 歩きにくさを感じる
- 感覚がいつもと違う
といった症状がある場合です。
特に、脚の力が急に入りにくくなった、排尿・排便がしにくい、股の周辺の感覚がおかしいといった変化がある場合は、早めの医療機関への受診が必要です。
「腰が痛いだけ」と考えず、腰以外にいつもと違う症状がないかにも目を向けてください。
安静にしていても強い痛みが続く
朝起きたときだけ腰が気になり、少し動いているうちに感じ方が変わるケースもあれば、横になっていても強く痛むケースもあります。
寝返りをしても楽な姿勢が見つからない、夜中に痛みで何度も目が覚めるなど、身体を休めていても強い痛みが続く場合は、セルフケアだけで様子を見続けないようにしましょう。
また、時間が経つにつれて痛みが強くなっている場合も同様です。
「朝の腰痛はよくあるから」とひとまとめにせず、普段の自分の状態と比べて判断することが大切です。
発熱など腰以外の症状もある
腰が痛いときは、どうしても腰だけに意識が向きます。
しかし、発熱や強いだるさなど、腰とは別の体調変化を伴っていないかも確認してください。
腰の痛みが必ずしも筋肉や関節などの問題から起こるとは限らず、身体の別の状態が関係していることもあります。
そのため、
「熱もあるけれど、とりあえず腰をストレッチしておこう」
と自己判断するのではなく、腰以外の症状がある場合には医療機関へ相談しましょう。
朝起きたときの腰の痛みは、「寝方」「マットレス」「身体の硬さ」だけで説明できるものばかりではありません。
いつもの朝と何が違うのか。
腰以外にも変化がないか。
セルフケアをする前に、一度そこを確認する習慣を持っておくことも、自分の身体を守るために大切です。
朝を「腰が痛い時間」にしないために、今日から見直せること
「また明日の朝も腰が痛かったら嫌だな……」
毎朝のように腰が気になると、眠る前からそんなことを考えてしまうかもしれません。
でも、これまで見てきたように、振り返ってほしいのは寝ている時間だけではありません。
朝の起き上がり方、仕事中の姿勢、身体を動かす量、寝る前の過ごし方。
まずは自分の一日を振り返り、できそうなところから少しずつ見直してみましょう。
寝方だけに原因を求めず一日の過ごし方を振り返る
朝起きたら腰が痛かった。
そんな日は、寝相やマットレスだけに答えを求めるのではなく、昨日の朝まで少し時間を巻き戻してみてください。
「仕事で座りっぱなしだった」
「いつもより長く車を運転した」
「久しぶりに運動した」
「夜もソファでずっと同じ姿勢だった」
思い返してみると、普段とは違う過ごし方が見つかることがあります。
そして翌朝は、勢いよく起き上がらず、身体の状態を確かめながらゆっくり動き始めてみる。
一度に生活を大きく変える必要はありません。
「寝る前に少し身体を動かしてみよう」
「朝は横向きになってから起きてみよう」
「仕事中、一度立ち上がる時間をつくろう」
そんな小さな見直しから始めてみてください。
毎朝繰り返す腰の痛みは身体の動きから確認してみましょう
セルフケアや生活習慣を見直していても、毎朝のように腰が気になることもあります。
そんなときは、「寝方が悪いのかな」と一人で考え続けるのではなく、身体の状態を確認してみることも一つの方法です。
当院では、腰だけを見るのではなく、立つ・座る・身体を曲げるといった動作や、普段どのように身体を使っているのかも確認しながら、お身体の状態に合わせた施術やセルフケアをご提案しています。
「朝だけだから相談するほどではないかな」
「日中は動けるから大丈夫かな」
と思っている方も、繰り返す腰の痛みが気になっている場合は、お気軽にご相談ください。
なお、強い痛みが続いている場合や、脚のしびれ・力の入りにくさ、発熱などを伴う場合には、整骨院でのケアよりも医療機関への受診を優先しましょう。
朝は、一日のスタートになる大切な時間です。
「起きたら腰が痛いのが当たり前」と我慢するのではなく、まずは明日の朝、自分の身体がどんな状態なのかを確かめるところから始めてみませんか。



